あの花は何か

NHK大河ドラマ「光る君へ」のオープニングでクレジットタイトルが流れる前に映し出される花です。
あの赤い花は、牡丹なのか、芥子なのか?
けっこう気になっている方がいらっしゃいます。私も分からないので知りたいです。
個人的な見解は、牡丹です。

能の演目に「葵上」という作品があります。源氏物語の「葵の巻」をベースとした作品です。
光源氏の正妻である左大臣の娘・葵上は、物の怪に取り憑かれ寝込んでいます。
その物の怪の正体は、光源氏の愛を失った六条御息所の生霊で、激しい嫉妬の感情を葵上にぶつけ、展開していく能独自の作品です。

この作品「葵上」で用いられるのが鬼扇(能楽用の扇子)で、赤地に白い大きな一輪牡丹が描かれています。
私の中では、一輪牡丹=鬼のイメージです。
ドラマのオープニングからいきなり鬼です。
赤なので、パッション、激しい情熱を感じますね。
このエネルギーが源氏物語の執筆に繋がっていくのでしょうか。

オープニングの花は赤ですが、画面いっぱいに広がる大きな一輪の花(牡丹)なので、鬼扇の一輪牡丹から派生したのでは...ないかと考えました。

六条御息所を象徴する嫉妬や執念も、道長の北の方になれなかった主人公の心情に重ねているのではないでしょうか。